2026年4月29日(水・祝)14:00、ベスト電器スタジアムにて明治安田J1百年構想リーグ WESTグループ第13節が行われ、サンフレッチェ広島はアビスパ福岡と2-2で90分を終え、PK戦に突入。サドンデスまでもつれた末、4-3で敗退した。前半4分に中野就斗、前半10分に東俊希のゴールで早々に2点リードを奪った広島だったが、前半19分に1点を返されると、後半27分にも見木友哉に決められて2-2の同点に追いつかれる展開。3連勝で乗り込んだアウェーでの決戦は、痛恨の連勝ストップとなった。
試合概要
| 大会 | 明治安田J1百年構想リーグ WESTグループ 第13節 |
|---|---|
| 日時 | 2026年4月29日(水・祝)14:00キックオフ |
| 会場 | ベスト電器スタジアム |
| 結果 | アビスパ福岡 2-2(PK 4-3)サンフレッチェ広島 |
| 得点 | 前半 4分 中野就斗(広)/前半10分 東俊希(広)/前半19分 碓井聖生(福)/後半27分 見木友哉(福) |
| 主審 | 飯田 淳平 |
前半|中野&東で電光石火の2点リード、しかし19分に1点を失う
キックオフ直後から広島が福岡陣内に押し込み、わずか4分で先制点を奪った。スコアラーは中野就斗。シャドーで起用された中島洋太朗のスルーパスから抜け出した中野が右足で冷静に流し込み、これが今季2点目となる電光石火の一撃だった(第1節長崎戦の開幕弾以来の得点)。
その勢いに乗った広島は前半10分にも追加点。左サイドから持ち上がった東俊希が、エリア手前でカットインして左足で叩き込む。今季リーグ戦初ゴール、しかも前節C大阪戦で同点ゴールに繋がるクロスを供給した東が、自らフィニッシャーとなり2-0とリードを広げた。
絶対的に優位に試合を進めていた広島だったが、ここから一気に流れが変わる。前半19分、福岡FW碓井聖生が広島DFの隙を突いてゴールに迫り、左足で押し込んだ。スコアは2-1となり、福岡が反撃の狼煙を上げた。
その後も広島は攻めの主導権を握る場面を作り出すが、中島洋太朗が前半18分に警告を受けるなど、福岡の組織的な守備に苦しみ前半終了。広島1点リードのままハーフタイムを迎えた。
後半|大胆な3枚替え、しかし見木の同点弾で突き放されぬ展開に
ハーフタイム、バルトシュ・ガウル監督は思い切った采配を見せた。中島洋太朗(警告を受けていた選手)、塩谷司、ジャーメイン良の3人を投入し、山﨑大地と共に最終ラインを再編。後半開始から3枚替えでアウェーの難敵に挑んだ。
後半14分には加藤陸次樹と木下康介を下げて前田直輝と鈴木章斗を投入。フレッシュな攻撃陣で2点目を狙いに行ったが、福岡は塚原真也監督の采配で岡哲平、北島祐二の2枚替えで対応。お互い動かしながら緊迫した展開が続いた。
そして、後半27分。福岡MF見木友哉が値千金の同点ゴールを決めた。福岡は左サイドから攻撃を組み立て、最終的に見木のゴラッソで2-2に。広島はリードを完全に失い、引き分けで90分を終えることになる。
その後も広島はトルガイ・アルスランを投入するなど勝ち越しを目指したが、福岡の堅い守備を破ることができず。後半52分に小原基樹が警告を受けるなど苦しい展開で、2-2のまま90分が経過した。

PK戦|サドンデスでの一撃に泣く、痛恨の敗退
百年構想リーグの規定により、90分2-2で終わった試合はPK戦で勝者を決定する。規定の5人を蹴り合っても決着がつかず、サドンデスに突入した広島と福岡のPK戦。両チームのキッカーが緊張感の漂うピッチで一発勝負に挑んだ。
結果、4-3で福岡が勝利。広島は痛恨のPK戦敗退で、勝点1のみの獲得となった。前節C大阪戦のPK勝利の興奮から一転、今節はPK戦の冷酷さを思い知らされる結末となった。
試合の総評|2点リードを守れなかった原因
前半開始10分で2-0という理想的な滑り出しを切った広島だったが、結果的に2点を失い同点に追いつかれた。理由はいくつか考えられる。
- 前半19分の被弾後、流れを取り戻せなかった:2-0のリード時に守備のラインを下げて受けに回った時間帯に1失点。その後流れを掴み直せないまま前半終了
- 中島洋太朗の警告(前半18分):シャドーで起用された中島が早い時間帯に警告。後半までの立て直しを意識した戦術的判断もあり、後半頭から交代という形に
- 後半の選手交代の効果が薄い:3枚替えで動かしたが、実質的に試合を決定づけられるプレーには繋がらず
- 福岡のセットプレー&遅攻への耐性:第9節(4/5広島ホーム)で広島を1-0で破った福岡の守備力を、ベススタでも実感する形に
中3日のアウェー過密日程、4月絶好調の福岡相手という条件を考慮すれば、勝点1という結果は致命的ではない。しかし2点リードからの引き分けで、なおかつPK敗退という形は、選手たちのメンタルにも少なからぬ影響を残しただろう。
注目選手|今季初ゴールの中野&東、新加入感のある活躍
この試合で光った広島の選手は、何と言っても先制点と追加点を決めた中野就斗と東俊希だ。中野は開幕節・長崎戦でのスーパーゴール(今季1点目)に続く今季2点目。前節C大阪戦の同点弾の起点となる縦パスを供給し、今節はゴール自体を決め、守備的なポジションながら攻撃面でも結果を出し続けている。
東俊希も今季リーグ戦初ゴールを記録。前節C大阪戦の同点弾につながるクロスを供給したのに続き、今節はフィニッシャーとして結果を出した。左サイドの攻撃で着実に存在感を増しているのは、ガウル体制下での成長の証だ。
ハーフタイムからの3枚替えで起用されたジャーメイン良は、72分のPK戦前まで攻撃の起点として奮闘。途中投入の前田直輝も、前節に続く好アピールを見せた。一方で、3連勝を支えた木下康介は前半14分以内で交代となり、戦術的なローテーションだったとはいえ、前節MOMの活躍からの落差が目立った形だ。

| 選手 | 採点 | コメント |
|---|---|---|
| 大迫敬介(GK) | 6.0 | 2失点。PK戦でも止められず |
| 荒木隼人(DF) | 6.0 | 3バック中央でカバーリング。同点弾は一歩遅れた |
| 中野就斗(MF) | 7.5 | 今季リーグ戦初ゴール。攻撃面で成長を印象づける |
| 東俊希(MF) | 7.5 | 左足での今季初ゴール。攻撃ルートとして機能 |
| 中島洋太朗(FW) | 6.5 | シャドーで先制点アシスト。警告で後半頭交代 |
| 加藤陸次樹(FW) | 6.0 | 後半14分で交代。前線で動き続けたが結果は出ず |
| 木下康介(FW) | 5.5 | 前節MOMから一転。試合のリズムを掴めず早めの交代 |
次節の展望|気持ちを切り替えて、アウェー岡山との中国ダービー
広島の次節は、5月2日(土)にアウェー・JFE晴れの国スタジアムで行われるファジアーノ岡山戦(第14節)。中国ダービーで、しかも今季第2節(2/14広島ホーム)では1-1からPK戦5-4で広島が制した因縁の相手だ。岡山はホームで大歓声を背に必勝態勢で迎えてくることが予想される。
福岡戦の悔しさを糧に、広島はチームの集中力を取り戻したい。前節C大阪戦の劇的逆転、3連勝で見せた粘り強さを、再びアウェーのピッチで発揮できるか。中3日の連戦が続くなか、選手のコンディション管理とベンチワークが今節以上に問われる一戦となる。
一方のアビスパ福岡は4月の好調をさらに加速させる白星を獲得。塚原真也監督の暫定体制下で結果を出し続け、4月WEST月間首位の座を維持した。連戦の疲労はあるが、勢いに乗った今、上位浮上が現実味を帯びてきた。
取材・文:Sanfrecce Focus編集部
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