2026年5月30日(土)14:00、エディオンピースウイング広島にて明治安田J1百年構想リーグ プレーオフラウンド第1戦(7-8位決定戦)、サンフレッチェ広島対川崎フロンターレが行われ、広島が2-1で勝利した。前半11分に中村草太、20分に加藤陸次樹が立て続けにゴールを奪い、43分に伊藤達哉に1点を返されたものの、リードを守り切って先勝。第1戦を勝利で終え、6月6日の第2戦(アウェー・等々力)に向けて有利なポジションを築いた。また、この試合はホーム最終戦であり、今季限りでの現役引退を発表した茶島雄介・トルガイ・アルスランの引退セレモニーが実施された特別な一日となった。
試合概要
| 大会 | 明治安田J1百年構想リーグ プレーオフラウンド 第1戦(7-8位決定戦) |
|---|---|
| 日時 | 2026年5月30日(土)14:00キックオフ |
| 会場 | エディオンピースウイング広島 |
| 結果 | サンフレッチェ広島 2-1 川崎フロンターレ |
| 得点 | 11分 中村草太(広)/ 20分 加藤陸次樹(広)/ 43分 伊藤達哉(川) |
| 第2戦 | 6月6日(土)19:00 / Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu |
広島スタメン
GK 大内一生 DF 山﨑大地・中野就斗・佐々木翔 MF 川辺駿・新井直人・松本泰志・東俊希 FW 鈴木章斗・加藤陸次樹・中村草太
※川崎Fは23歳の大卒ルーキーFW持山匡佑が今大会初先発。
前半|中村・加藤の2発で主導権。理想的な立ち上がり
広島は試合開始から積極的に前へ出る姿勢を見せた。地域リーグラウンドを3連勝で締めくくった勢いそのままに、ホームの大声援を背に川崎Fを押し込んでいく。
前半11分、広島が早い時間帯に先制する。好調を維持する中村草太がゴールを奪い、地域リーグ終盤戦からの得点の勢いを継続。プレーオフという大舞台でも臆することなく結果を出した。さらに前半20分には加藤陸次樹が追加点。地域リーグラウンドのG大阪戦・京都戦・名古屋戦と得点を重ねてきた加藤が、この大事な一戦でもゴールネットを揺らし、リードを2点に広げた。
しかし川崎Fも黙ってはいなかった。前半43分、伊藤達哉が1点を返し、2-1とスコアを縮める。前半のうちに反撃の糸口を掴んだ川崎Fは、1点ビハインドで折り返すことに成功した。前半は広島が2-1とリードしてハーフタイムを迎えた。
後半|広島が集中した守備でリードを死守。スコアレスで逃げ切り先勝
後半は川崎Fが同点を目指して攻勢を強める展開となった。広島は山﨑大地・中野就斗・佐々木翔の最終ラインを中心に、集中した守備で川崎Fの攻撃を跳ね返し続けた。今季初先発のGK大内一生もゴールマウスを安定して守り、川崎Fに決定的なチャンスを与えなかった。
シュート数では広島が17本を放ち、川崎Fの10本を上回った。コーナーキックも6対2と広島が上回り、試合の主導権を握り続けた。後半は両チームともゴールが生まれず、広島が2-1のまま逃げ切り、貴重な第1戦勝利を掴んだ。プレーオフ第1戦は延長戦・PK戦がないため、この90分間の2-1という結果がそのまま記録され、広島は第2戦に向けて大きなアドバンテージを得た。

茶島雄介・トルガイ・アルスラン 引退セレモニー|広島に捧げた青春と情熱
この試合のもう一つの大きなテーマが、今季限りでの現役引退を発表した2人のセレモニーだ。広島は5月27日、MF茶島雄介とMFトルガイ・アルスランの現役引退を発表しており、ホーム最終戦となるこの日に両選手を送り出すセレモニーが行われた。
茶島雄介|広島ユースから大学を経て戻った「道を作った男」
茶島雄介は広島・安芸区出身の34歳。サンフレッチェ広島ユースから大学を経てクラブに復帰した初めての選手であり、その後の荒木隼人・山﨑大地ら「大学経由で主力に成長する」道を切り拓いたパイオニア的存在だ。J1通算166試合10得点を記録し、長年にわたってクラブを支え続けた。
茶島はクラブを通じて「小さい頃からの夢であったクラブでプレーし、引退することができることは本当に幸せなことだと感じています」とコメント。地元出身でユース育ちの選手がクラブで現役を全うするという、サンフレッチェ広島の育成の歴史を体現する引退となった。前節(5/23 名古屋戦)の前には青山敏弘コーチと並ぶ姿も見られ、クラブのレジェンドたちとともに歩んだキャリアに幕を下ろす。
トルガイ・アルスラン|記憶に残る司令塔、第二の故郷・広島へ
トルガイ・アルスランはドイツ出身の35歳。ハンブルガーSV、ベシクタシュ、ウディネーゼなど欧州の名門でプレーした実力派MFで、2024年夏に広島に加入すると、移籍初年度に14試合8得点という鮮烈な活躍を見せた。卓越したテクニックと得点感覚を持つ司令塔として広島の攻撃を牽引し、多くの印象的なゴールを残した。
しかしその後は度重なる怪我に悩まされ、百年構想リーグでの出場機会はなかった。アルスランは引退に際し「広島は私にとって”第二の故郷”になり、一生忘れることのない思い出を与えてくれました」とコメント。特に大きな怪我を負った後もクラブが支え続けてくれたことへの感謝を語った。短い期間ながらも、広島サポーターの記憶に深く刻まれた名手だった。
勝利という最高の結果とともに、2人のレジェンドを送り出すことができたこの日は、広島の歴史にとって忘れられない一日となった。
試合の総評|先勝の価値と第2戦への展望
広島の勝因は、なんといっても前半の早い時間帯に2点を奪った試合運びだ。地域リーグラウンドの終盤3連勝で確立された「決定機を仕留める力」が、プレーオフという大舞台でもしっかりと発揮された。中村草太・加藤陸次樹という地域リーグ終盤戦の得点源が、第1戦でも結果を出したことは大きな自信になる。
1失点はしたものの、後半を無失点で乗り切り、シュート数17対10と内容でも上回った。プレーオフ第1戦は延長・PKがないため、この2-1という結果がそのまま記録される。広島は2試合の勝利数で順位を決めるルールにおいて、第1戦勝利という最高のスタートを切ることができた。
第2戦は6月6日(土)19:00、アウェー・Uvanceとどろきスタジアム。広島が第2戦で引き分け以上に持ち込めば、2試合の勝利数で上回り順位決定戦を制することができる。ただし川崎Fも本拠地での第2戦に向けて修正を図ってくるはずで、油断は禁物だ。第1戦のリードを活かしつつ、アウェーでも積極的な姿勢を貫きたい。
選手採点・総評

| 選手 | 採点 | コメント |
|---|---|---|
| 中村草太(FW) | 7.5 | 前半11分の先制弾。地域リーグ終盤からの得点の勢いをプレーオフでも継続 |
| 加藤陸次樹(FW) | 7.5 | 前半20分の追加点。大事な一戦で結果を出す勝負強さを発揮 |
| 大内一生(GK) | 7.0 | 2試合連続の先発。後半の川崎F猛攻を集中したセービングで凌ぎ切った |
| 川辺駿(MF) | 7.0 | 中盤を統率し攻守の起点に。リードを守る試合運びをコントロール |
| 佐々木翔(DF) | 7.0 | 最終ラインのリーダーとして後半の守備を統率。1失点も全体を引き締めた |
| 東俊希(MF) | 6.5 | 左サイドから攻撃を活性化。何度も決定機を演出した |
| 中野就斗(DF) | 6.5 | 3バックの一角として奮闘。攻守両面でバランスを保った |
次節(第2戦)の展望
7-8位決定戦の第2戦は6月6日(土)19:00、アウェー・Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu。広島は第1戦を2-1で制し、2試合の勝利数で優位に立っている。第2戦で引き分け以上に持ち込めば順位決定戦を制することができるが、川崎Fも本拠地で意地を見せてくるはず。広島は第1戦の勢いを維持し、アウェーの地でも自分たちのサッカーを貫いて、プレーオフラウンドを最高の形で締めくくりたい。
取材・文:Sanfrecce Focus編集部
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