勝てそうだった——それがなお一層悔しさを深める。後半49分に木下康介が先制点を奪い、ついに連敗脱出かと思われた瞬間、試合は残酷な展開を見せた。84分、物議を醸したPKで同点に追いつかれ、アディショナルタイムには途中出場の大迫勇也に試合を決められた。神戸 2-1 広島——サンフレッチェ広島は今季ワーストとなる3連敗を喫し、ガウル体制は最大の正念場を迎えることになった。
試合結果
| チーム | 前半 | 後半 | 合計 |
|---|---|---|---|
| ヴィッセル神戸 | 0 | 2 | 2 |
| サンフレッチェ広島 | 0 | 1 | 1 |
得点:木下康介(広島・49分)/扇原貴宏(神戸・84分・PK)/大迫勇也(神戸・90+4分)
スタッツ
| スタッツ | 神戸 | 広島 |
|---|---|---|
| シュート | 10 | 11 |
| コーナーキック | 2 | 5 |
| フリーキック | 16 | 13 |
前半:古巣知り尽くす指揮官の罠、スコアレスも構造的優位は神戸
昨季まで4シーズン広島を率いたミヒャエル・スキッベ監督が今度は敵として立ちはだかる一戦。広島はGK大迫敬介が日本代表活動で不在のため、大内が移籍後初の先発という異例の状況でノエビアスタジアム神戸のピッチに立った。
前半は互いに警戒し合う展開となった。神戸はスキッベ監督の戦術的嗅覚で広島のビルドアップの出口を丁寧に消し、ウイングが広島ウイングバックの裏を突き続ける設計を徹底。広島はショートパスでその包囲網を打開しようとするが、縦への推進力が生まれない時間が続いた。32分には神戸・日髙光揮のシュートがゴール左外へ外れるなど決定機は少なく、スコアレスのまま折り返す。数字上はシュート数・CK数で広島がやや上回ったが、神戸の構造的優位は試合を通じて明確だった。
後半:木下が先制、しかし疑惑のPKで流れが変わる
後半開始早々の49分、試合が動く。木下康介がゴールを奪い、広島が先制。3試合ぶりに先に点を取るという、連敗中に最も欲しかった形でリードを奪った。その後も広島は追加点を狙って前へ出るが、神戸の守備ブロックを崩しきれない時間が続いた。
試合の流れが変わったのは84分だった。物議を醸す判定でPKが神戸に与えられ、扇原貴宏が冷静に沈めて同点。「疑惑のPK」と多くのサポーターや識者が声を上げたこの場面は、広島にとってただの失点以上の痛みを残した。勝点3が指の間からこぼれ落ちていく感覚があった。
そしてアディショナルタイム。途中出場の大迫勇也が試合を決定づけるゴールを奪った。練習でフルメニューをこなし、この試合から復帰した36歳は、最も重要な場面でチームを救う一撃を叩き込んだ。神戸が劇的逆転勝利で暫定首位に浮上し、広島は今季ワーストの3連敗に沈んだ。
総評:脱出できなかった連敗と、見えてきた兆し

シュート数は11対10、CKは5対2と広島が上回った。先制点も奪った。それでも敗れた事実が示すのは、試合の流れや個々のスタッツ以上に「終盤に失点しない強さ」と「セットプレー・PK場面での質」という部分での差だ。
ガウル監督は試合後「選択肢がなかった部分もあった」と率直に話しつつも、「大迫敬介が代表から戻ってくることで状況は改善していく」と前向きな姿勢を見せた。GK大内が初先発ながら存在感を示した点、そして後半から積極的に前に出る姿勢を取り戻しつつある点は確かな収穫だ。
ピースウイングでのホームゲームに向けて、代表から戻る主力を迎え入れ、どこまでチームを立て直せるか。3連敗の重さを背負いながら、広島の反撃はホームから始まる。
次節のスケジュール
サンフレッチェ広島の次戦はインターナショナルマッチウィーク明け、エディオンピースウイング広島でのホームゲーム。日本代表から大迫敬介らが戻り、どこまで戦力が整った状態で臨めるか注目される。
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