連敗は避けたかった。名古屋戦(1-2)の悔しさを胸にアウェイの日本平へ乗り込んだサンフレッチェ広島だったが、結果は3-1の完敗。シュート数では清水を15対11と上回りながら、前半19分・21分の連続失点という悪夢が最後まで響いた。今季初の連敗を喫し、WESTグループでの上位争いに向けて踏ん張り時を迎えている。
試合結果
| チーム | 前半 | 後半 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 清水エスパルス | 2 | 1 | 3 |
| サンフレッチェ広島 | 0 | 1 | 1 |
得点:吉田豊(清水・19分)/オ・セフン(清水・21分)/北川航也(清水・66分)/ジャーメイン良(広島・84分)
スタッツ
| スタッツ | 清水 | 広島 |
|---|---|---|
| シュート | 11 | 15 |
| コーナーキック | 4 | 5 |
| フリーキック | 14 | 11 |
スタメン
清水エスパルス(4-1-2-3)
GK 梅田透吾/DF 北爪健吾・パク・スンウク・住吉ジェラニレショーン・吉田豊/DM マテウス・ブエノ/IH 松崎快・宇野禅斗/FW カピシャーバ・オ・セフン・北川航也
サンフレッチェ広島
GK 大迫敬介/CB 荒木隼人・佐々木翔・キム・ジュソン/MF 山崎大地・川辺駿・塩谷司・中野就斗・志知孝明・ジャーメイン良/FW 鈴木章斗
前半:ハイプレスの罠にはまり、2失点で折り返す
広島は立ち上がりからセットプレーで何度か清水ゴールに迫る場面を作ったが、清水の鋭い出足が試合の主導権を徐々に奪い始める。吉田孝行監督率いる清水は今節もハイプレス・ハイラインを徹底。広島がロングフィードとショートパスを織り交ぜながらビルドアップを試みるも、清水のトランジションの速さが上回り、なかなかチャンスを作れなかった。
すると19分、清水に均衡を破られる。右サイドで受けた北川航也がカットインからシュートを放つと、こぼれ球に反応した吉田豊が左足で強烈に叩き込んだ。J1では5年ぶりとなるベテランの一撃で清水が先制。その直後の21分にはカウンターからカピシャーバの折り返しをオ・セフンが押し込み、わずか2分間で追加点を奪われた。
2失点のショックからリズムを取り戻せないまま、広島は前半0-2で折り返す羽目になった。この2点のビハインドは、後半に向けた戦い方を大きく縛ることになる。
後半:追い上げも追加点を許し、ジャーメインの1点のみ
2点を追う広島は後半から前への意識を強め、攻撃の回数を増やしていく。シュート数を積み上げ、清水ゴールを脅かす場面も作ったが、梅田透吾のセービングや最終ラインの粘りの前にネットを揺らせない時間が続いた。
清水はさらに66分、北川航也が追加点を奪って試合を決定的にした。3点差となった広島は攻め続けるも、84分にジャーメイン良が1点を返すにとどまった。シュート数では相手を上回りながら得点は1つ——前節の名古屋戦と同じ構図が、この試合でも繰り返された。
総評:データが示す根本課題

広島はシュート15本に対し清水は11本。数字の上では広島が上回っているにもかかわらず、スコアは3-1で敗れた。この矛盾が示すのは、単純な決定力の問題だけではない。ボールを奪える位置が低く、清水のハイラインの裏やトランジションに対して後手を踏む場面が多かったことが、前半の2失点という形で表れた。
ガウル監督が今節選んだスタメンはキム・ジュソンや志知孝明など、前節から顔ぶれが変わっており、連戦によるターンオーバーを実施した可能性がある。選手のコンディション管理という観点では理解できる判断ながら、前半の立ち上がりの連携面での不安定さに影響した面は否めない。
対する清水は今節も課題だった「90分間勝ち切れない」という点をクリアし、今季最多の3得点で3連勝。吉田孝行監督の4-1-2-3が今季もWESTグループで機能していることを示した一戦だった。
次節のスケジュール
サンフレッチェ広島の次戦はインターナショナルマッチウィークを挟んでの再開となる。連敗中のチームにとってはリセットと修正の貴重な時間だ。ボール奪取位置の改善と前半の集中力をどう立て直すか——ガウル監督の手腕が問われる。
選手採点(編集部評価)
| 選手 | 採点 | コメント |
|---|---|---|
| 大迫敬介(GK) | 6.0 | 2失点は守備組織全体の問題。個人では複数のピンチを防いだ |
| 荒木隼人(CB) | 5.5 | 清水のカウンターの速さに対応しきれず。ラインコントロールに課題 |
| 川辺駿(MF) | 6.0 | 中盤での奮闘は続けたが、2失点後はリズムを取り戻せなかった |
| 鈴木章斗(FW) | 5.5 | 前線で孤立する場面が多く、清水の4バックに対してうまく崩せなかった |
| ジャーメイン良(FW) | 6.5 | 84分の1点を返したゴールは意地の一撃。途中出場から違いを見せた |
なぜ前半の2分間で2失点したのか:戦術的考察
19分・21分のわずか2分間での連続失点は、広島のビルドアップが清水のハイプレスに対応できなかったことが直接の原因だ。清水の吉田孝行監督が仕掛けたのは「ハイプレス+ハイライン」の組み合わせ。広島がボールを持った際、前線から激しく追い回し、後ろに蹴らせてロングボール合戦に持ち込む戦略だった。
広島は本来「グラウンダーのパスでビルドアップ」するチームだが、清水の強度の高いプレスに動揺し、不用意なロングボールを選択した場面が増えた。それが相手のセカンドボール回収につながり、19分の先制点を招いた。
4バックチームに対する広島の課題
広島(3バック)と清水(4バック)という異なるシステムの対戦では、広島のウイングバックと相手SBの対応関係が重要になる。清水は4バックのSBが広島WBを捕まえる役割を担い、広島のサイド攻撃を制限した。
こうした相手には、WBをより内側に使ってハーフスペースを攻略するか、あるいは縦の速さでSBの背後を取ることが有効だが、この試合では清水のラインが高く設定されていたにもかかわらず、広島は背後への動きが少なかった。
まとめ
清水 3-1 広島は、前半2分間の連続失点が全てを決めた試合だった。シュート数15本対11本と内容では広島が上回りながら、試合の入りの悪さが致命傷になった。清水のハイプレス・ハイラインに対する準備不足と、ビルドアップ時の精神的な動揺が連敗の原因だった。ジャーメインの1点は意地を見せたが、反撃は1点にとどまった。この連敗がチームをより逞しくする糧になることを期待したい。
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