明治安田J1リーグ第9節、サンフレッチェ広島は敵地・味の素スタジアムで東京ヴェルディを0-2で下しました。ただし内容は前半と後半でまったく違う試合でした。ガウル監督がハーフタイムに3人を同時に代えるという思い切った手を打ち、その直後に投入されたばかりの松本泰志が決勝点。さらに浅野拓磨が広島での公式戦初出場を果たした一戦を振り返ります。

試合結果
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | 明治安田J1リーグ 第9節 |
| 日時 | 2026年10月11日(日)15:00キックオフ |
| 会場 | 味の素スタジアム |
| 結果 | 東京ヴェルディ 0-2 サンフレッチェ広島(前半0-0/後半0-2) |
| 得点 | 後半2分 松本泰志/後半13分 鈴木章斗 |
| 入場者数 | 18,233人 |
| 主審 | 笠原寛貴 |
| 試合環境 | 晴、弱風、気温26.4℃、湿度32%、全面良芝 |
これで公式戦5連勝。9月19日の福岡戦から4試合連続で無失点が続いています。リーグ戦は6勝2分1敗・勝点20で2位につけました。
前半は監督が「納得のいかない内容」と断じた
スコアは0-0でしたが、前半の中身は褒められたものではありませんでした。試合後のガウル監督の言葉が厳しい。
「前半はエネルギーも前に出る勇気も不足しており、自分たちの目指すサッカーには程遠い、納得のいかない内容でした」
原因についても、監督ははっきりと言語化しています。
「『ミスを避けたい』という意識が強すぎて、安全なプレーを選択しすぎたことが最大の要因です。ボールを失うことを恐れるあまり、ビルドアップのテンポが遅くなり、アグレッシブさが失われてしまいました。ミスを恐れて安全に逃げる戦い方は我々のスタイルではありません」
試合前のプレビューでは「監督交代の直後という状況が、この試合をいちばん読みにくくしている」と書きました。相馬直樹新監督の初戦に臨む東京ヴェルディのモチベーションを警戒した前半だった、とも言えます。
ハーフタイムの3枚替えが試合を変えた

そしてハーフタイム。ガウル監督は3人を同時にピッチから下げました。
| 交代 | 監督が挙げた意図 |
|---|---|
| キム ジュソン → 東俊希 | 17分に警告。カードリスクの回避 |
| 中島洋太朗 → 松本泰志 | 中盤にフレッシュなエネルギーを注入 |
| 加藤陸次樹 → セバスティアン アレー | 異なるタイプのFWで攻撃のバリエーションを増やす |
監督はこの交代を「チームへの罰ではない」と明言しました。
「ハーフタイムでの3枚替えはチームへの『罰』ではなく、後半に勝ち切るための戦術的変更です。監督である私がリスクを冒して大きな変更を決断する姿勢を示すことで、選手たちにも『リスクを恐れず前に攻め込んでほしい』という意図を伝えました」
監督が先にリスクを取ってみせる。それが前半の「安全に逃げる」姿勢へのメッセージだったわけです。なお交代枠の数え方はサッカーの交代枠のルールとは?で整理しています。
投入から2分、松本泰志のゴラッソ
メッセージは即座に結果になりました。後半2分、ピッチに立ってまだ2分の松本泰志がネットを揺らします。
「監督の決断は結果がすべてですが、実際にピッチ上でそれを成果として示してくれたのは選手たちです。泰志があのようなゴラッソを決めてくれたことで、結果的に私の采配が当たった形になりましたが、何より選手たちの素晴らしい集中力と実行力を讃えたいと思います」
後半13分には鈴木章斗が追加点。前半0本だった決定力が、後半の15分間で2点に化けました。
数字だけ見ると前半と後半は変わっていない
興味深いのはスタッツです。
| 項目 | 広島(前半/後半) | 東京V(前半/後半) |
|---|---|---|
| シュート | 11(5/6) | 6(3/3) |
| コーナーキック | 4(3/1) | 1(0/1) |
| フリーキック | 15(9/6) | 12(6/6) |
| オフサイド | 1 | 2 |
| イエローカード | 1 | 3 |
広島のシュートは前半5本、後半6本。本数はほとんど変わっていません。CKに至っては前半3本・後半1本で、むしろ前半のほうが多い。
つまり変わったのは量ではなく、ボックスへ入っていく姿勢でした。監督がハーフタイムに求めたのは「ピッチ上で本来のエネルギーを出すこと」と「恐れずにアグレッシブに相手ボックスへ進入すること」。数字に出ない部分が動いた試合だったと言えます。
浅野拓磨が広島で初出場
もうひとつの収穫が、81分に投入された浅野拓磨です。今夏に加入しながら怪我で離脱が続いていた選手が、ようやく広島のユニフォームで公式戦のピッチに立ちました。
「彼が元気にピッチへ戻ってきたことが何よりの収穫です。今夏に彼を獲得したのはチームのクオリティを一段引き上げるためでしたが、怪我で時間がかかってしまいました。こうして初出場を果たせたことは大きく、彼がこのままプレーし続けてくれれば、今後において間違いなくチームの強力な武器になってくれます」
代表から戻った2人についても監督は触れています。荒木隼人と中野就斗は揃って先発し、最終ラインを構成しました。「2人とも非常に高いプライドと自信を胸にチームへ戻ってきてくれました。初招集された中野にとっては特に大きな経験と成長の機会になった」と評価しています。
スタメンと交代
| 区分 | 選手 |
|---|---|
| GK | 1 大迫敬介 |
| DF | 15 中野就斗/4 荒木隼人/37 キム ジュソン |
| MF | 5 新井直人/6 川辺駿/35 中島洋太朗/18 菅大輝 |
| FW | 11 加藤陸次樹/10 鈴木章斗/23 鮎川峻 |
- 46分 キム ジュソン → 東俊希
- 46分 中島洋太朗 → 松本泰志
- 46分 加藤陸次樹 → セバスティアン アレー
- 67分 菅大輝 → 前田直輝
- 81分 鮎川峻 → 浅野拓磨
警告は17分のキム ジュソンの1枚のみ。一方の東京ヴェルディは3枚を受けており、球際で後手に回っていたことがうかがえます。
選手採点(編集部)

MOMは松本泰志。ハーフタイムに入って2分で決勝ゴールという、文句のつけようがない結果を出しました。先発ではないので図の11人には入っていません。鈴木章斗は後半13分に2点目を決めて7.5。荒木隼人は最終ラインを締めて無失点に貢献し7.0です。いっぽうでキム ジュソン・中島洋太朗・加藤陸次樹の3人は5.5。これは個々のミスというより、監督が「ミスを避けたいという意識が強すぎて、安全なプレーを選択しすぎた」と振り返った前半の停滞がそのまま出た評価です。3人ともハーフタイムで交代しており、キム ジュソンについては17分の警告というカードリスクも重なりました。途中出場では、81分に入った浅野拓磨が広島での公式戦初出場。出場時間は短いものの、今夏加入から怪我で待たされた選手がピッチに戻ったこと自体が収穫です。
次は10月14日、松本山雅戦
広島はこのまま移動して、10月14日(水)19:00にサンプロ アルウィンでルヴァンカップ1stラウンド3回戦の松本山雅FC戦を迎えます。相手はJ3で16位ながら、この大会でJ2の湘南をPK戦、新潟を1-0で下して勝ち上がってきたチームです(プレビューはこちら)。この試合は0-1で広島が勝利し、公式戦6連勝・5試合連続無失点となりました(レビューはこちら)。
10月7日の天皇杯いわきFC戦(4-0で勝利)から数えて、中2日・中2日の3連戦。この日の3枚替えが示したように、ベンチをどう使うかがそのまま結果に出る日程が続きます。
よくある質問(FAQ)
Q. 10月11日の東京ヴェルディ戦、結果は?
A. サンフレッチェ広島が0-2で勝利しました。前半0-0、後半0-2。後半2分に松本泰志、後半13分に鈴木章斗が決めています。会場は味の素スタジアム、入場者数は18,233人でした。
Q. 試合を決めたのは何ですか?
A. ハーフタイムの3枚替えです。ガウル監督はキム ジュソン、中島洋太朗、加藤陸次樹の3人を同時に下げ、東俊希・松本泰志・セバスティアン アレーを送り出しました。その直後、後半2分に投入されたばかりの松本泰志が決勝ゴールを決めています。
Q. なぜハーフタイムで3人も代えたのですか?
A. 監督は試合後に3つの理由を挙げています。17分に警告を受けていたキム ジュソンのカードリスクを回避すること、中盤に松本泰志を入れてフレッシュなエネルギーを注入すること、前線に異なるタイプのFWであるセバスティアン アレーを置いて攻撃のバリエーションを増やすことです。「チームへの罰ではなく、後半に勝ち切るための戦術的変更」と説明しています。
Q. 前半はどんな内容だったのですか?
A. 監督が「納得のいかない内容」と断じるほど低調でした。原因については「ミスを避けたいという意識が強すぎて、安全なプレーを選択しすぎた」「ボールを失うことを恐れるあまり、ビルドアップのテンポが遅くなり、アグレッシブさが失われた」と振り返っています。
Q. 浅野拓磨は出場しましたか?
A. はい。後半36分(81分)に鮎川峻と交代で投入され、広島での公式戦初出場を果たしました。今夏に加入したものの怪我で離脱が続いていた選手です。監督は「彼が元気にピッチへ戻ってきたことが何よりの収穫」「このままプレーし続けてくれれば、間違いなくチームの強力な武器になる」と話しています。
Q. 広島の順位はどうなりましたか?
A. 6勝2分1敗・勝点20で2位です。この勝利で公式戦5連勝、同時に4試合連続の無失点となりました。
Q. 次の試合はいつですか?
A. 10月14日(水)19:00から、サンプロ アルウィンでルヴァンカップ1stラウンド3回戦の松本山雅FC戦です。東京から移動しての中2日、連戦の3試合目になります。
まとめ
- 東京ヴェルディ 0-2 サンフレッチェ広島。後半2分 松本泰志、後半13分 鈴木章斗
- ハーフタイムの3枚替えが試合を変えた。監督は「罰ではなく戦術的変更」と明言
- 投入からわずか2分で松本泰志が決勝ゴール
- シュートは前半5本・後半6本。変わったのは量ではなく前に出る姿勢
- 浅野拓磨が広島での公式戦初出場(81分)
- 公式戦5連勝・4試合連続無失点。リーグは6勝2分1敗・勝点20で2位
※試合データ・監督コメントはサンフレッチェ広島公式サイトの試合レポートおよび試合データに基づきます。なおJリーグ公式の記録では広島のシュート数は12本となっており、クラブ発表の11本とわずかに差があります。
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