ポジショナルプレーとは?立ち位置で試合を支配する考え方を初心者向けに解説|サンフレッチェ広島の実例つき

ポジショナルプレーの図解。ピッチを5レーンに分け、同じレーンに重ならないよう選手を配置し三角形でパスコースを確保する 戦術・分析

近年のサッカー戦術を語るうえで欠かせないのが「ポジショナルプレー」という考え方です。少し難しそうな言葉ですが、その本質は「選手それぞれが、ピッチ上で最も効果的な立ち位置を取り続ける」というシンプルな原則です。これまで解説してきたビルドアップ、ライン間、数的優位、サイドチェンジといった概念は、すべてこのポジショナルプレーの中で結びついています。この記事では、ポジショナルプレーの考え方を初心者向けに解説し、サンフレッチェ広島のサッカーに当てはめて見ていきます。

ポジショナルプレーの図解。ピッチを5レーンに分け、同じレーンに重ならないよう選手を配置し三角形でパスコースを確保する
ポジショナルプレーのイメージ。ピッチを縦5つのレーンに分け、同じレーンに人が重ならないよう配置し、三角形を作ってパスの選択肢を保つ

ポジショナルプレーとは

ポジショナルプレーとは、ボールそのものを追いかけるのではなく、選手の「立ち位置(ポジション)」を最適化することで試合を支配しようとする考え方です。スペイン語の「フエゴ・デ・ポジシオン」が語源で、ジョゼップ・グアルディオラ監督が広めた戦術として知られています。一人ひとりが正しい位置に立つことで、自然とパスコースが生まれ、相手より優位な状況を作り出すのが狙いです。

ポジショナルプレーの基本原則

ポジショナルプレーには、いくつかの基本的な約束事があります。代表的なものを挙げます。

  • 5レーンを意識する:ピッチを縦に5つのレーン(両サイド・両ハーフスペース・中央)に分け、各レーンに適切に人を配置する
  • 同じレーンに重ならない:味方同士が同じ縦のレーンに並ぶと窮屈になるため、ずらして立つ
  • 同じ高さに並びすぎない:横一列に並ぶとパスが横方向だけになるため、高さもずらす
  • 三角形・ダイヤモンドを作る:近くの味方と三角形を作ることで、ボールを持った選手に常に複数のパスコースを用意する

これらを徹底すると、相手がどこを守っても必ずどこかにフリーの味方やスペースが生まれ、数的優位やライン間でボールを受ける状況を意図的に作り出せます。

これまでの戦術用語との関係

ポジショナルプレーは、これまで解説してきた個々の概念を束ねる「上位の考え方」です。後方から繋ぐビルドアップ、相手の列の間で受けるライン間、局所的に味方を多くする数的優位、逆サイドを突くサイドチェンジ——これらはすべて、適切な立ち位置を取るポジショナルプレーの原則から自然に生まれてくるプレーです。

サンフレッチェ広島とポジショナルプレー

サンフレッチェ広島がバルトシュ・ガウル監督のもとで志向する、後方から繋いで主導権を握るサッカーは、ポジショナルプレーの考え方と通じるものがあります。3バックのセンターバック、両ウイングバック、2人のシャドー、ボランチが、それぞれ異なるレーンと高さに立つことで、ピッチ全体に選手をバランスよく配置します。

特に、ウイングバックがサイドレーンで幅を取り、シャドーの鈴木章斗や加藤陸次樹がハーフスペースに立つという配置は、ポジショナルプレーの「レーンを分けて立つ」原則そのものです。これにより相手の守備を横に広げ、生まれたすき間を突いて崩していきます。広島の攻撃が機能しているときは、各選手がきれいにレーンを分けて立ち、パスがスムーズに循環しているはずです。

観戦中の見分け方

観戦中は、広島の選手が「同じ縦のラインに重なっていないか」「適度に距離を取って三角形を作れているか」に注目してみてください。選手がバランスよく散らばってパスが軽快に回っていれば、ポジショナルプレーがうまく機能している状態です。逆に、味方同士が近づきすぎて窮屈になり、パスが詰まっているときは、立ち位置が崩れているサインです。ボールよりも「ボールを持っていない選手の立ち位置」を見ると、戦術の質が見えてきます。

まとめ

ポジショナルプレーとは、選手の立ち位置を最適化することで試合を支配しようとする考え方です。5レーンを意識し、重ならず、三角形を作るという原則を徹底することで、ビルドアップ・ライン間・数的優位・サイドチェンジといったプレーが自然に生まれます。サンフレッチェ広島の攻撃を見るときは、選手がどのレーンに立っているかに注目すると、サッカーの奥深さがより楽しめるようになります。

関連記事として、ハーフスペースとは?ビルドアップとは?サンフレッチェ広島の基本戦術(3バック)解説もあわせて読むと、戦術の全体像が見えてきます。

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