9月29日、Jリーグ ヤマザキビスケット ルヴァンカップ1stラウンド2回戦。サンフレッチェ広島はアウェイのCITY FOOTBALL STATIONで栃木シティと対戦し、0-2で勝利しました。前半13分に鮎川峻、23分に加藤陸次樹。わずか10分間で試合を決めています。
ただ、この試合を語るうえで欠かせないのがピッチの状態でした。ガウル監督は試合後、「このグラウンドコンディションではサッカーができる状態ではなかった」と言い切っています。泥沼のピッチで、王者がどう勝ち切ったのかを振り返ります。

試合結果
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | 2026/27 Jリーグ ヤマザキビスケット ルヴァンカップ 1stラウンド 2回戦 |
| 日時 | 2026年9月29日(火)19:00 |
| 会場 | CITY FOOTBALL STATION(アウェイ) |
| 結果 | 栃木シティ 0-2 サンフレッチェ広島(前半0-2) |
| 得点 | 前半13分 鮎川 峻/前半23分 加藤 陸次樹 |
| 入場者数 | 2,260人 |
| 天候 | 雨、無風、気温19.9℃、湿度90%/芝状態:不良 |
| 主審 | 飯田 淳平 |
試合の振り返り
① 「サッカーができる状態ではなかった」ピッチ
Jリーグの戦評は、この日のコンディションをこう記しています。「朝から降り続く雨でピッチは全体がぬかるみ、ボールが転がったあとに止まってしまう状態だった」。公式記録の芝状態の欄にも、はっきり「不良」と書かれました。
ガウル監督が選手に伝えたのは、戦術ではありませんでした。「こういうピッチコンディションである以上、デュエルだったりセカンドボールだったりの戦いになると選手たちに伝えました。戦術的な部分よりもメンタルの部分、目の前の戦いに勝つことだけを強調しました」。
やることは2つだけ。相手の最終ラインの背後へどんどんボールを放り込み、そこにプレスをかけてチャンスを作る。監督自身が「本当にそれだけでした」と振り返っています。
② 前半13分と23分、10分間で決まった
試合の入りは栃木シティのほうが良く、4分に升掛友護、7分に吉田篤志が背後を取る場面を作りました。しかし先にスコアを動かしたのは広島です。
13分、背後に抜け出した鮎川峻がゴール左スミへ冷静に流し込んで先制。本人はこう語っています。「(川村)拓夢くんがボールを出したときに背後のスペースが狙えると思ったし、ちょうど良いところでボールが止まったし、うまくシュートができたと思います」。「ちょうど良いところでボールが止まった」——このピッチならではの表現です。
さらに23分、相手ゴール前にこぼれたボールを加藤陸次樹が豪快に押し込んで2点差。ガウル監督も「前半の序盤に2つのゴールを奪えたことが勝負を決めた」と振り返りました。
③ 撃たれても、決めさせない
2点を追う栃木シティは足を止めませんでした。42分に岡庭裕貴のクロスへ鈴木裕斗がヘッドで飛び込むも枠のわずか上、63分には吉田篤志のクロスに升掛友護がフリーでヘッド——これも枠を捉えられず。46分と49分の決定機は、いずれもGK大迫敬介が受け止めています。
栃木シティの升掛友護は試合後、悔しさをこう表現しました。「フィジカル的な部分では全然差がなかったと思うし、むしろこっちのほうが一枚上手だったと思っています」。そのうえで「そこがJ1とJ2の差だと痛感しています」と。今矢直城監督も「このピッチコンディションだからこそ、最後の技術の部分がクローズアップされてしまった」と語っています。
スタッツ比較|8本で2点

| 項目 | 広島 | 栃木シティ |
|---|---|---|
| 得点 | 2 | 0 |
| シュート | 8(前半2/後半6) | 13(前半6/後半7) |
| コーナーキック | 5 | 3 |
| 直接・間接フリーキック | 18 | 13 |
| オフサイド | 2 | 2 |
| イエローカード | 1(17分 鈴木章斗) | 1(15分 奥井諒) |
注目したいのはシュート数で下回りながら勝ったという点です。リーグ第8節の福岡戦では32本撃って1点。この日は8本で2点。同じチームの数字とは思えないほど対照的で、数字の多さがそのまま結果にならないというサッカーの性質がよく表れた2試合でした。
数字の読み方については試合スタッツの読み方とxG(ゴール期待値)とは?もあわせてどうぞ。
先発メンバーと交代
Jリーグの戦評によると、広島はリーグ前節・福岡戦から中9日、このあとも中7日の猶予があったため、鈴木章斗などリーグ戦の主力級がほぼ先発に名を連ねました。対する栃木シティは、3日前のリーグ戦・徳島戦から先発全員を入れ替えるターンオーバーで臨んでいます。
| ポジション | 背番号・選手 |
|---|---|
| GK | 1 大迫 敬介 |
| DF | 5 新井 直人/4 荒木 隼人/37 キム ジュソン |
| MF | 32 越道 草太/6 川辺 駿/8 川村 拓夢/7 東 俊希 |
| FW | 11 加藤 陸次樹/10 鈴木 章斗/23 鮎川 峻 |
なお中野就斗は日本代表に合流していたため不在。前日の9月28日に、広島でベネズエラ戦に出場していました。そしてこの試合に先発した荒木隼人は、翌9月30日に日本代表へ追加招集されることになります。
交代
| 時間 | 交代 |
|---|---|
| 59分 | キム ジュソン → 菅 大輝 |
| 59分 | 鈴木 章斗 → 小林 志紋 |
| 63分 | 川村 拓夢 → 前田 直輝 |
| 81分 | 越道 草太 → クシニ イェンギ |
| 81分 | 加藤 陸次樹 → セバスティアン アレー |
終盤にはセバスティアン・アレー、クシニ・イェンギ、前田直輝といった前線の駒も投入されました。ベンチには浅野拓磨も控えており、カップ戦でもこの顔ぶれを並べられる層の厚さが見えます。
選手採点(編集部)

MOMは鮎川峻。難しいピッチで冷静に流し込んだ13分の一撃が、この試合のすべてを決めました。加藤陸次樹も23分に2点目。川村拓夢は先制点の起点となる縦パスを通しています。荒木隼人は最終ラインでぬかるんだピッチの競り合いを制し続け、翌日の代表追加招集につながりました。
途中出場の選手
| 選手 | 出場 | 採点 |
|---|---|---|
| 18 菅 大輝 | 59分〜(キム ジュソンと交代) | 6.0 |
| 45 小林 志紋 | 59分〜(鈴木章斗と交代) | 6.0 |
| 41 前田 直輝 | 63分〜(川村拓夢と交代) | 6.0 |
| 9 クシニ イェンギ | 81分〜(越道草太と交代) | — |
| 22 セバスティアン アレー | 81分〜(加藤陸次樹と交代) | — |
※採点はあくまで編集部の主観です。楽しみ方のひとつとしてご覧ください。
3回戦は松本山雅FC戦
この勝利で広島は1stラウンド3回戦へ進出しました。相手は松本山雅FC、2026年10月14日(水)19:00キックオフ、会場はアウェイのサンプロ アルウィンです。
広島は2025年のルヴァンカップ王者。連覇への道は、まだ1stラウンドの途中にあります。
その2025年の優勝は、決勝で荒木隼人が先制ヘッドを決めて大会MVPに選ばれた大会でした。記録はクラブ公式の写真集にまとまっています。
よくある質問(FAQ)
Q. 試合のスコアと得点者は?
A. 広島が0-2で勝ちました(ホームは栃木シティ)。前半13分に鮎川峻、前半23分に加藤陸次樹が決め、後半はスコアが動きませんでした。広島はこの勝利で1stラウンド3回戦に進出しています。
Q. どんなピッチコンディションだった?
A. 朝から降り続いた雨で、公式記録の芝状態は「不良」。Jリーグの戦評は「ピッチは全体がぬかるみ、ボールが転がったあとに止まってしまう状態」と伝えています。気温19.9℃、湿度90%でした。
Q. 広島はどんなメンバーで臨んだ?
A. リーグ前節の福岡戦から中9日あり、次の試合まで中7日の猶予もあったため、鈴木章斗ら主力級がほぼ先発しました。一方の栃木シティは3日前のリーグ戦から先発全員を入れ替えるターンオーバーで臨んでいます。
Q. シュート数は広島のほうが少なかった?
A. そのとおりです。シュートは栃木シティ13本に対し広島8本。コーナーキックは広島5本・栃木シティ3本でした。撃たれながらも決め切ったのがこの試合で、32本撃って1点だった第8節の福岡戦とは対照的な内容です。
Q. ガウル監督は試合をどう振り返った?
A. 「このグラウンドコンディションではサッカーができる状態ではなかったので、選手たちにはメンタル面の勝負だと話をして送り出しました」と語りました。戦術よりもデュエルとセカンドボール、そして相手の背後へ放り込むことだけを強調したと明かしています。
Q. 中野就斗は出場していた?
A. していません。この試合の前日まで日本代表に合流しており、9月28日には広島でベネズエラ戦に出場していました。なお先発した荒木隼人は、この試合の翌日にあたる9月30日に日本代表へ追加招集されています。
Q. 次のラウンドの相手は?
A. 1stラウンド3回戦で松本山雅FCと対戦します。2026年10月14日(水)19:00キックオフ、会場はアウェイのサンプロ アルウィンです。
まとめ
栃木シティ0-2広島。泥沼のピッチで、前半の10分間に奪った2点がすべてでした。ガウル監督が「どちらにボールが転ぶか分からない、止まるのかも分からない、ギャンブルのような試合展開」と表現した90分を、戦術ではなくデュエルとセカンドボールで制しています。
シュート8本で2点。32本撃って1点だった福岡戦と並べると、サッカーの結果が数字どおりには動かないことがよく分かります。条件が悪い試合でこそ、こうして勝点を拾えるかどうかが効いてきます。
次は10月14日、アウェイで松本山雅FC戦。連覇への道はまだ続きます。
※試合内容・記録は各公式発表に基づきます。最新情報はサンフレッチェ広島およびJリーグの公式サイトでご確認ください。
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取材・文:Sanfrecce Focus編集部
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