JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド4回戦、サンフレッチェ広島は敵地ニッパツ三ツ沢球技場で横浜F・マリノスに3-4で敗れました。2025年大会に続く連覇は、ここで途切れました。
前半は0-0。しかし後半だけで7点が入る乱打戦になりました。0-2から荒木隼人と新井直人の2ゴールで追いつき、一度突き放されてからも再び追いつく。それでも最後、後半アディショナルタイム4分のオウンゴールで決着がつきました。
ガウル監督は試合後、選手たちを強く称えています。「疲労困憊の中で見せたこの強い反発力こそ、我々が築き上げてきたチームの真の姿です」。

試合結果
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | 2026/27 JリーグYBCルヴァンカップ 1stラウンド 4回戦 |
| 日時 | 2026年10月28日(水)19:00キックオフ |
| 会場 | ニッパツ三ツ沢球技場 |
| 結果 | 横浜F・マリノス 4-3 サンフレッチェ広島(前半0-0/後半4-3) |
| 広島の得点 | 後半21分 荒木隼人/後半29分 新井直人/後半36分 新井直人 |
| 横浜FMの得点 | 後半8分 二田理央/後半14分 平野遼/後半30分 オナイウ情滋/後半45+4分 オウンゴール |
| 主審 | 池内明彦 |
プレビューで整理したとおり、この大会に引き分けはありません。1試合制のノックアウトなので、この敗戦がそのまま敗退を意味します。
前半は0-0。内容は悪くなかった
立ち上がりから広島が形を作りました。前半5分には新井直人のシュートが左ポストを直撃。11分には横浜FMの田中雄大も左ポストに当てており、お互いに際どい場面がありました。
37分にはオナイウ情滋に決定機を作られましたが、GK大内一生がこれを止めています。
ガウル監督も試合後、この時間帯をこう振り返っています。
「立ち上がりの入りは非常に良く、狙い通りのプレーができていました。ただ、序盤の決定機を逃したところで相手に先制を許してしまいました」
なお前半は警告が5枚(選手4人とスタッフ1人)。横浜FMの当たりが激しく、荒れた入りでもありました。
後半8分と14分、2点を失う
ハーフタイム、横浜FMは関富貫太に代えて平野遼を投入します。そして試合が動きました。
後半8分、田中雄大の縦パスを受けた三井寺眞が右足アウトサイドで落とし、フリーの二田理央がペナルティエリア内から決めて先制。
後半14分には、右コーナーキックのこぼれ球に反応した平野遼が右足でファーサイドへ。この選手は横浜FMの高校3年生で、この試合がトップチームデビューでした。デビュー戦でのゴールです。
ガウル監督は前日、こう話していました。
「アカデミーにも良い選手たちがいますので、そうした選手たちの力も活用できます」
この日、その言葉どおりの結果を出したのは相手のほうでした。
60分の3枚替えから、3点を返した
0-2となった後半15分(60分)、広島は3人を同時に代えます。
- 中島洋太朗 → 川辺駿
- 菅大輝 → キム ジュソン
- 浅野拓磨 → 小林志紋
東京ヴェルディ戦のハーフタイム、京都戦の64分に続く3枚同時替えです。そしてこの日も、交代が流れを変えました。
後半21分、東俊希のフリーキックに荒木隼人が合わせて1点を返します。センターバックがセットプレーから反撃の口火を切りました。
新井直人の2ゴール
そこからが新井直人の時間でした。
後半29分、ペナルティエリア左からの直接フリーキック。これを左隅へ沈めて2-2。前半5分にポストを直撃していた選手が、セットプレーで同点に追いつきました。
ところがその1分後です。後半30分、木村卓斗がペナルティエリア右に進入して折り返し、オナイウ情滋が決めて横浜FMが再び突き放します。
それでも広島は折れませんでした。後半36分、途中出場の小林志紋が最終ライン裏へ浮き球を送ると、新井直人がこれを収めて叩き込み3-3。この試合2点目です。
広島の3得点を整理すると、東俊希のFK、新井直人の直接FK、小林志紋の浮き球。いずれもセットプレーか、背後へのボールから生まれています。流れのなかからこじ開けたわけではない、という点は押さえておきたいところです。
そして後半45+4分、オウンゴール
3-3になってからも、広島は勝ち越しを狙って前に出ました。ガウル監督の言葉を借りれば「何度も追いつき、さらに4点目を奪って勝ち越しに行こうとする怒涛の反撃」です。
決着がついたのは後半アディショナルタイム4分でした。木村卓斗が高い位置でボールを奪い、速攻から近藤友喜がペナルティエリア右でカットインしてシュート。これが広島の選手に当たってゴールへ入り、オウンゴールとして記録されました。
ほぼ最後のプレーでの決着。広島の連覇は、ここで終わりました。
スタッツ|シュートは広島のほうが多かった

数字を見ると、打っていたのは広島です。
- シュート 広島15本(前半5・後半10)・横浜FM11本(前半4・後半7)
- コーナーキック 広島5本(すべて後半)・横浜FM4本
- 直接・間接フリーキック 広島14本・横浜FM11本
- イエローカード 広島1枚・横浜FM7枚
警告7枚という数字が、この試合の激しさを物語っています。広島の警告は後半5分(50分)の浅野拓磨の1枚だけでした。
後半のシュート10本という数字は、0-2から前に出た時間帯のものです。追いついた回数ぶんだけ、押し込んでいたことになります。
ガウル監督「歯茎で歩く」
試合後のコメントは、負けた直後とは思えないほど選手を称えるものでした。まず総括から。
「横浜FMは豊富な選手層を活かして大幅なローテーションを行い、フレッシュな状態で臨んできました。対する我々は怪我人や過密日程の影響で、ローテーションすらギリギリの極限状態でしたが、3失点しても選手たちは一切諦めませんでした」
「疲労困憊の中で見せたこの強い反発力こそ、我々が築き上げてきたチームの真の姿です。どちらに勝負が転んでもおかしくない戦いを繰り広げた選手たちの奮闘を心から称えたいです」
ロッカールームでかけた言葉についても語っています。
「勝利した時に『誇りに思う』と伝えるのは簡単ですが、たとえ望む結果を得られなかったとしても、私の彼らに対する感謝と誇りは何一つ変わりません。ロッカールームでは『みんなのプレーを心から誇りに思う』と伝えました」
そして、チームの現状を表すのにドイツ語の言い回しを使いました。
「ドイツには『歯茎で歩く』という、極限まで疲れ果てた状態を表す言葉がありますが、今の我々はまさにその満身創痍の状態にあります。それでも倒れず、最後の一歩を絞り出してアグレッシブにゴールを目指し続けた選手たちの強い精神力こそ、我々の最大の財産です」
前日の会見では「どの試合を優先するかということではなく、すべての試合に勝つという姿勢で臨みます」と述べていました。結果としてメンバーはほとんど入れ替えられず、相手との選手層の差がそのまま出た90分でもありました。
スタメンと交代
広島の先発は次のとおりです。
| ポジション | 選手 |
|---|---|
| GK | 99 大内一生 |
| DF | 15 中野就斗/4 荒木隼人/7 東俊希 |
| MF | 5 新井直人/14 松本泰志/35 中島洋太朗/18 菅大輝 |
| FW | 29 浅野拓磨/10 鈴木章斗/23 鮎川峻 |
GKが大内一生になった以外は、リーグ戦の主力が並びました。浅野拓磨は2試合連続の先発です。一方、川村拓夢(清水戦で負傷交代)とセバスティアン アレーはメンバーに入っていません。
交代は4人。
- 後半15分(60分) 中島洋太朗 → 川辺駿
- 後半15分(60分) 菅大輝 → キム ジュソン
- 後半15分(60分) 浅野拓磨 → 小林志紋
- 後半24分(69分) 鮎川峻 → クシニ イェンギ
警告は後半5分(50分)の浅野拓磨のみ。退場はありません。交代枠の数え方はサッカーの交代枠のルールとは?で整理しています。
選手採点(編集部)

MOMは新井直人としました。直接フリーキックを含む2ゴールで、2度ともチームを同点に引き戻しています。前半5分のポスト直撃も含め、この日の攻撃の中心でした。
荒木隼人は7.0。4失点のうち1つはオウンゴールで、センターバックとして反撃の1点目を決めた働きを評価しました。東俊希も6.5。その荒木のゴールをフリーキックから演出しています。
大内一生は6.0。4失点しましたが、37分の決定機を止めて前半を0-0で終わらせた働きは小さくありません。
一方、0-2の時点で交代となった中島洋太朗・菅大輝・浅野拓磨は5.5としました。連戦の蓄積を考えれば酷な評価かもしれませんが、流れを渡した時間帯にピッチにいたのは事実です。
途中出場では小林志紋が3点目をアシスト。川辺駿とキム ジュソンも入ってから反撃の形を作りました。交代策そのものは機能していたと言えます。
プレビューで挙げた読みは、どこが当たったか
| プレビューでの見立て | 実際 |
|---|---|
| マリノスはリーグ4戦連続ドロー。ただしカップ戦は3連勝 | 当たり。カップ戦4連勝となり、8強入りした |
| 広島は2回戦・3回戦ともアウェイで無失点勝ち | 今回は4失点。3試合目で記録が途切れた |
| ポイントは先制点。マリノスは先に失点した展開をひっくり返せていない | 逆だった。先制したのは横浜FMで、広島が追う展開に |
| ターンオーバーをどこまでやるか | ほとんどできなかった。監督も「ローテーションすらギリギリ」と認めた |
一番外したのは「先制点」の見立てでした。先に取れば相手が前に出ざるを得ない、と書きましたが、実際には広島が追いかける側になりました。ただし、そこから3点を返したことまでは読めていません。
連覇はならず。次は10月31日、水戸戦
この敗戦で、広島のルヴァンカップ連覇は消えました。11月11日に開幕するプライムラウンドには進めません。なおベスト8はJ1勢が独占しています。
ここから先はリーグ戦に集中できるとも言えます。広島はJ1で2位、首位FC町田ゼルビアとの差は勝点1。11月8日にはその町田との直接対決が控えています。
次は10月31日(土)14:00、水戸信用金庫スタジアムでのJ1第13節・水戸ホーリーホック戦。中2日のアウェイです。水戸は10月26日に監督が交代したばかりで、詳しくは試合プレビューにまとめています。
ガウル監督の言う「歯茎で歩く」状態が、あと何試合続くのか。10月だけで6試合目を終えて、まだ終わりではありません。
よくある質問(FAQ)
Q. 10月28日のルヴァンカップ4回戦、結果は?
A. 横浜F・マリノスが4-3でサンフレッチェ広島に勝ちました。前半は0-0でしたが、後半だけで7点が入る展開になり、広島は2度追いつきながら後半アディショナルタイム4分のオウンゴールで力尽きました。会場はニッパツ三ツ沢球技場です。
Q. 得点者は誰ですか?
A. 横浜FMが二田理央(後半8分)、平野遼(後半14分)、オナイウ情滋(後半30分)、そして後半45+4分のオウンゴール。広島は荒木隼人(後半21分)、新井直人(後半29分・後半36分)です。
Q. 広島は敗退したのですか?
A. はい。ルヴァンカップは1試合制のノックアウトで、この試合に敗れたため2025年大会に続く連覇はなりませんでした。11月11日に開幕するプライムラウンドには進めません。
Q. なぜ後半だけで7点も入ったのですか?
A. 0-2から広島が反撃に出たことで、試合が開いたためです。広島は0-2となった後半15分(60分)に3人を同時に交代させ、そこから荒木隼人、新井直人(2点)で3度のゴールを返しました。一方で前に出た分だけ背後が空き、横浜FMもすぐに取り返す展開になりました。
Q. 新井直人の2ゴールはどんなものでしたか?
A. 1点目(後半29分)はペナルティエリア左からの直接フリーキックを左隅へ。2点目(後半36分)は、途中出場の小林志紋が最終ライン裏へ送った浮き球をトラップして押し込んだものです。前半5分にも左ポストを直撃する一撃を放っていました。
Q. 平野遼とはどんな選手ですか?
A. 横浜F・マリノスの高校3年生で、この試合がトップチームデビューでした。ハーフタイムから出場し、後半14分に右コーナーキックのこぼれ球を右足で決めています。デビュー戦での得点でした。
Q. ガウル監督は試合をどう振り返っていますか?
A. 選手を強く称えています。「3失点しても選手たちは一切諦めませんでした」「疲労困憊の中で見せたこの強い反発力こそ、我々が築き上げてきたチームの真の姿です」。また「ドイツには『歯茎で歩く』という、極限まで疲れ果てた状態を表す言葉がありますが、今の我々はまさにその満身創痍の状態にあります」とも述べました。
Q. 広島はメンバーを入れ替えていたのですか?
A. ほとんど入れ替えられていません。GKが大内一生になった以外は、リーグ戦の主力が多く並びました。ガウル監督は「横浜FMは豊富な選手層を活かして大幅なローテーションを行い、フレッシュな状態で臨んできました。対する我々は怪我人や過密日程の影響で、ローテーションすらギリギリの極限状態でした」と説明しています。
Q. 浅野拓磨は出場しましたか?
A. はい。2試合連続の先発でしたが、後半5分(50分)に警告を受け、0-2となった後半15分(60分)に小林志紋と交代しています。
Q. 次の試合はいつですか?
A. 10月31日(土)14:00、水戸信用金庫スタジアムでJ1第13節・水戸ホーリーホック戦です。中2日のアウェイ戦で、水戸は10月26日に監督が交代したばかりです。
まとめ
- 横浜F・マリノス 4-3 サンフレッチェ広島。広島は敗退し、連覇はならず
- 前半0-0から後半だけで7点が入る乱打戦になった
- 広島は荒木隼人と新井直人(2点)で2度追いついた
- 新井直人は直接FKを含む2ゴール。前半5分にはポストも直撃
- 決着は後半アディショナルタイム4分のオウンゴール
- 横浜FMは高校3年生の平野遼がデビュー戦でゴール
- シュートは広島15本・横浜FM11本。警告は横浜FMに7枚
- 監督は「ローテーションすらギリギリの極限状態」と選手層の差に言及
- 「ドイツには『歯茎で歩く』という言葉がある」——満身創痍の現状
- 次は中2日、10月31日の水戸戦(アウェイ)
※試合データと監督コメントはサンフレッチェ広島公式サイトの試合データおよび試合レポート、得点の経緯はゲキサカの報道に基づきます。なお得点時刻は媒体により1分前後の差があります。
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